気嵩なる彼は胸に余して、聞えよがしに、 「※、貴方には軽蔑されてゐる事を知りながら、何為私腹を立てることが出来ないのでせう。実に貴方は!」 満枝は彼の枕を捉へて顫ひしが、貫一の寂然として眼を閉ぢたるに益苛ちて、 「余り酷うございますよ。間さん、何とか有仰つて下さいましな」 彼は堪へざらんやうに苦りたる口元を引歪めて、 「別に言ふ事はありません。第一貴方のお見舞下さるのは難有迷惑で……」 「何と有仰います!」 「以来はお見舞にお出で下さるのを御辞退します」 「貴方、何と……※」 満枝は眉を昂げて詰寄せたり。貫一は仰ぎて眼を塞ぎぬ。 素より彼の無愛相なるを満枝は知れり。彼の無愛相の己に対しては更に甚きを加ふるをも善く知れり。満枝が手管は、今その外に顕せるやうに決して内に怺へかねたるにはあらず、かくしてその人と諍ふも、また※はざる恋の内に聊か楽む道なるを思へるなり。涙微紅めたる※に耀きて、いつか宿せる暁の葩に露の津々なる。 「お内にも御病人の在るのに、早く帰つて上げたが可いぢやありませんか。私も貴方に度々来て戴くのは甚だ迷惑なのですから」 「御迷惑は始から存じてをります」 「いいや、未だ外にこの頃のがあるのです」 「ああ! 鰐淵さんの事ではございませんか」 「まあ、さうです」 「それだから、私お話が有ると申したのではございませんか。それを貴方は、私と謂ふと何でも鬱陶しがつて、如何に何でもそんなに作るものぢやございませんよ。その事ならば、貴方が御迷惑遊ばしてゐらつしやるばかりぢやございません。私だつてどんなに窮つてをるか知れは致しません。この間も鰐淵さんが可厭なことを有仰つたのです。私些もかまひは致しませんけれど、さうでもない、貴方がこの先御迷惑あそばすやうな事があつてはと存じて、私それを心配致してをるくらゐなのでございます」風俗人妻 風俗熟女 専門サイト 痛む上に塩を塗る
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