五月の槍・穂高 五月二十七日 小雨、柏矢町午前六時出発、一ノ沢―横通岳二七六七メートルの三角点、午後三時頃、一ノ俣小屋六時。 第二日 晴、午前五時出発、槍の頂上午前十時、南岳三角点午後十二時、一ノ俣小屋午後三時帰着。 第三日 晴、午前出発、唐沢入、北穂の尾根午前十時、頂上十一時、唐沢三角点午後零時、奥穂の頂上十二時半、唐沢下り五千尺旅館午後七時。 第四日 曇、午前六時出発、前穂午後十二時頂きにて四時間霧の晴れるを待つ、午後七時帰着。 第五日 晴、午前六時出発、徳本八時、島々駅午後零時着。 一ノ沢を登ると最後に雪渓が四つに別れます。一番南の谷が肩から出ているのですが知らなかったため、三番目の一番深い谷へ入って、横通岳へ登ってしまいました。一ノ俣を下ると滝がたくさんある滝沢を通ります。ここは五月頃最も悪いところです。一ノ俣小屋には毛布や蒲団がたくさん置いてありました。槍沢は赤沢山の下からずっと雪渓になっています。小屋は大槍も殺生も肩のも皆出ていました。横尾谷は屏風岩の下から雪渓で、北穂には本谷と唐沢を分けている尾根の上の方へ取付いて登りました。峰伝いは全く真夏と同様で楽に歩けました。北穂―唐沢―奥穂の距離は地図よりずっと遠いように思います。奥穂は北アルプス中最も大きい山で海抜三一七〇メートル以上あると思います。前穂は下から頂上まで雪が少しも切れないでつづいていました。 (一九二八・七) 車の鍵 紛失 http://colog.jp/kabu/
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