デカダニスムは、精神のポーズでもなく、肉体の衣裳でもない。まして、世俗に媚びることでもなく、況んや、決して、易きにつくことではないのである。ある意味に於て、デカダニスムは、精神的貴族主義の部類に属するものだと、私は信じる。生活に於ても、芸術に於ても、デカダンは一種の気品をたくはへ、それを誇示することによつてその特質が発揮されなくてはならぬ。 かゝる精神は、いかに「弱々しいもの」「不健康」なものをもつてゐても、それ自身として毅然たる拠りどころと、不気味なまでの「しぶとさ」が必要である。「不健康の強靭さ」とでも云へるやうな精神の生命力をなんと呼んだらいゝか。 * 話は全く違ふが、ある種の「健康な精神」が、その実、まつたく抵抗力を欠くものだ、といふ事実を見逃してはなるまい。それは、肉体の場合にも云へることらしいが、健康とは、まことに、さういふ「脆さ」を一面に於て示すことがあるのである。 しかし、また、忘れてはならないことは、かゝる健康のみを健康といふのではないといふことである。miq池袋店ホットペッパービューティー
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