「私を支えて来た最も高い勇気も今では消え失せた。おお、神のみこころよ。たった一日を、真の歓喜のたった一日を私に見せて下さい。真の悦びのあの深い響きが私から遠ざかってからすでに久しい。おお、わが神よ。いつ私は再び悦びに出遭えるのでしょう?……その日は永久に来ないのですか?……否、それはあまりに残酷です!」 これは絶体絶命の呻きである。しかもベートーヴェンはその後なお二十五年生きながらえるであろう。彼の生来の頑強さは、試練の重みの下に圧しつぶされることを承服しはしなかった。「僕の体力も知力も、今ほど強まっていることはかつてない。……僕の若さは今始まりかけたばかりなのだ。一日一日が僕を目標へ近づける、――自分では定義できずに予感しているその目標へ。おお、僕がこの病気から治ることさえできたら、僕は全世界を抱きしめるだろうに!……少しも仕事の手は休めない。眠る間の休息以外には休息というものを知らずに暮らしている。以前よりは多くの時間を睡眠に与えねばならないことさえ今の僕には不幸の種になる。今の不幸の重荷を半分だけでも取り除くことができたらどんなにいいか……このままではとうていやりきれない。――運命の喉元をしめつけてやる。断じて全部的に参ってはやらない。おお、人生を千倍にも生きられたらどんなにいいか!」蒲田 歯医者 http://taikai.mobile-sp.com/
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